大嫌いなキミに愛をささやく日
何かが音を立てて崩れた。

そして、その瞬間から。



「じゃあこれから――

彼氏彼女っぽいこと、しよっか」



煌人は、その人柄をガラリと変える。



「凛、こっち向いて」

「ん?なに?」

「それで、目を瞑って」

「また目を瞑るの?なんで?」

「いーから」

「……」



いつか車の中でも言われた「目を瞑って」発言。

前も言ったけど、視界を遮られるのは、怖くて苦手。



「不安になるから、ヤダ」

「じゃあ、いいよ。そのままで」

「え――」



いいから――と。

そう言って、煌人は私の顔を両手で挟んだ。

そっと、まるで壊れ物を扱うように。

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