大嫌いなキミに愛をささやく日
「(それって……)」



煌人が私を追いかけて、両親が眠る墓の最寄り駅まで来てくれた時の事……かな?



――どんな時でも、凛は俺が守る



すると。

私の勘は正解だったみたいで、煌人は私を見てニッと笑った。



「俺にその誓いを守らせて、凛。

絶対に、ここからお前を出してやるからな」

「……は、はいっ」



なぜか丁寧語で返事をしてしまったけど。

その時の煌人は、まるで王子様みたいにカッコよくて……

薄暗い倉庫の中が、一瞬にして明るくなった気がした。



「だ、だけど、どうやって出るの?」
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