大嫌いなキミに愛をささやく日
「んなの、簡単だって」



話を変えようと、煌人に脱出の方法を聞く。

すると、煌人は外に向かって、壁を数回ノックした。



「おい、いるんだろ。主(俺)が干からびるぞ。さっさと助けろ」

「おや、バレてましたか」

「(この声……執事さん!?)」



どうやら執事さんは、煌人専属の執事だけあって。

学校での煌人にも、目を光らせているらしい。

それなら……

煌人がココに閉じ込められたのも、当然、知ってるよね。



「(って!それなら早く外に出してよ!執事さん!!)」



その後――



いつものように「お怪我はなかったですか?レディ」なんて聞かれた私。

だけど、いるならいるで早く助けてほしかったから、プーッと膨れっ面のみで返した。

すると……



「おやおや、つぼみがつきましたね。愛らしい。煌人様に代わって、私が美しい花を咲かせましょうか?」

「えっ!?い、いや、結構です……っ」

「おい。俺がここにいるって、分かってるよな?」
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