大嫌いなキミに愛をささやく日
「私が?」

「うん。鳳条くんを見る目が優しくなった。あと全体的な雰囲気も、かな。今の凛、すごく優しく見えていい感じ!」

「(優しく……?)」



なってるのかな、私……。

でも、そうだとしたら、それは――



「煌人のおかげ、かも」

「そっか。鳳条くんのおかげか」

「……うん」



いつか、何か。

どんな形でもいいから、煌人に恩返ししたいな。

あ、例えばちょっとしたプレゼントを買うのはどう?



「煌人って何が好きなんだろ?」

「凛……この紐を自分に巻いて?」

「え、なんでハチマキを?」

「かわいくリボンにしてね。で、鳳条くんの所へ行く。そして”私を貰って”って言えば、鳳条くんは気を失うくらい喜ぶから」

「……」



それだけは絶対にしてはいけない、と。

私の本能が教えてくれる。



「(でも、そうだなぁ……)」



煌人の言葉に、そろそろ返事をしないといけない。

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