大嫌いなキミに愛をささやく日



――俺がお前を好きって言ったら、どうする?



あの答えを見つける。

いろんな場所から角度から、少しずつ。

答えの欠片を、拾い集めるんだ。

それが煌人への、一番の恩返しになりそうな気がする。



「――じゃあ時間だし、運動場に行きますか!」

「はーい。頑張ろうね、泡音ちゃん」

「おうよ!」



そうして、私たちは賑やかな運動場を目指す。

トラックの周りには、既に観覧する保護者たちも集まってきている。

今日はお父さんも、煌人のご両親も来ているのかと思うと……妙に緊張してきた。



だけど、小心者の私とは裏腹に。

大役を担っている煌人は、立派に旗手の役目を果たし、そして色んな種目で脚光を浴びていた。

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