大嫌いなキミに愛をささやく日
気づけば、私は男子たちに近寄り「ねぇ」と声を掛けていた。



「陰でコソコソ悪口言うの、みっともないからやめてくれない?」

「は、はぁ?」
「彼氏を庇いに来た彼女の登場だな」



面倒くさそうに話す男子に、私の額に青筋が入る。

誰が彼氏で、誰が彼女だって?



「(こけたフリして全員の頭に、ポコッとゲンコツ入れられないかな)」



グッと拳を作っていきなり戦闘態勢に入った私に、男子たちは肩をビクリと震わせた。



「彼女だからって、そうカリカリすんなって」
「はぁ~冷めた冷めた」
「おい、もうあっち行こうぜ」


「言い逃げするの?カッコ悪い」



私の言葉を聞いて、男子の一人が顔を歪めて「あぁ?」とすごむ。

私も負けじと睨み返した。

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