大嫌いなキミに愛をささやく日
現在、泡音ちゃんはトイレ休憩。

本来なら、この辺で泡音ちゃんが「ストップ」と言うけど……彼女がいないんじゃ、どうにもならない。

この場の空気は、どんどん重くなっていった。



「今ここで。煌人を侮辱した事を謝って」

「はぁ?」
「なんで俺たちが」

「確かに煌人はムカつくし腹が立つし気に食わない。けどね……」



顔色悪くなるまで、家庭教師だとかピアノの練習とか。

煌人は陰で、色んな事をやってんのよ。

私たちが知らない所で、煌人はいつも頑張ってるんだから。



「それ相応の努力を、煌人はいつも、人並み以上に時間をかけてやってんの。

何も頑張ってない私たちが、頑張り屋の煌人にとやかく言える権利はないよ」



言い切ると、男子たちは黙っていた。

そして私も、夢から覚めたように「はっ」と我に返る。

どうしよう……。
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