大嫌いなキミに愛をささやく日
「ひ!?」
「鳳条!?」
「なんで、今リレーじゃ……!?」



顔が青ざめる男子たちの肩をまとめて組んで、笑顔で問い詰める煌人。

その様子を、トイレから返って来た泡音ちゃんが、苦笑いで見ていた。



「鳳条くん、ほどほどにね」

「……悪いけど、泡音ちゃん」



今まで煌人はニコニコ笑っていたけど、急にピタリとやめる。

そして真剣な表情になり、声のトーンを低くした。



「凜の事でブレーキを掛けるの、

俺には無理だから」

「あらまぁ……」

「だから次に凜の悪口を言ったら――君ら俺とシュート勝負ね」



煌人のいきなりの言葉に、男子たちは「?」と首を傾げる。

すると煌人はニッと、挑発するような笑みを浮かべた。



「君らサッカー部なんでしょ?素人の俺よりも上手いはずだよね?それとも、俺に負けるのが怖いの?」
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