大嫌いなキミに愛をささやく日

「な!」
「負けるワケねーよ!」
「俺らがどれだけ練習して、」



男子たちが言い終わらない内に「そっか」と。

煌人は太陽のような笑みで、ニカッと笑った。



「じゃあ、もし次があったらそういう事で。はい、約束」

「お、おう」
「仕方ねーな」
「ほら、約束」



煌人と男子たちは、グーパンでコツコツと、それぞれの拳を順番に当てていく。

何かの挨拶みたいに見えるけど、あれが彼らなりの「約束の仕方」らしい。



「じゃあ、この話はここまでね」

「(誰にもわだかまりを残さずに、この場を上手くまとめたってわけか。鳳条くんは)」



煌人のおかげで、何とか場が落ち着いたところで。
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