大嫌いなキミに愛をささやく日
学校の運動会で、こんなのありかよ!?

顔を真っ赤にした俺を、遠くからめざとく見つけた司会進行。

アナウンスで「鳳条くんが固まってしまいました、頑張ってください!」と大きな声で言いやがった。



「(うるせーよ!動揺してんだよ察しろ!!)」



その時に――とある人物の姿を、俺は見つける。

司会進行がパイプ椅子に座っている、その後ろに、



「(なんでアイツが、本部のテントに堂々と立ってんだよ!!)」



そう。アイツとは、俺の執事。

やっぱり、さっき見えた黒い影は、ゴミでも見間違いでもなかった。

きっと執事が、俺が引きそうな位置にあった紙と、あらかじめ用意していた紙を入れ替えたんだ。

くそ、なんのためにだよ!



「(って……目的は一つしかない、か)」


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