大嫌いなキミに愛をささやく日
私服姿で、着飾った女子達三人。

俺を見つけるやいなや、すごい速さで俺の近くまで寄って来た。



「(この子らって確か……)」



あぁ、思い出した。

小学校で一緒のクラスになった事がある人たちだ。

中学は別々だから……会うのは久しぶりか?



「ねぇ煌人、今ヒマ?学校案内してよ」

「いや暇じゃないし、他の学校の人がここまで入るのはいけないと思うよ?」



冷静になって言うと、女子たちはムッとしたのか。

全員、合わせたように頬を膨らませる。



「えー煌人ってば真面目~」
「そうだよ、昔はもっとはっちゃけてたじゃん」

「(小学生の俺って、そんな目で見られてたのか……)」



恥ずかしい黒歴史を引っ張りだしかねない女子たちの背中を押して「はい行くよー」と運動場へ向かって歩く。

ブーブー文句を言われ続けているけど、もうスルーしよう。俺も忙しいし。

すると、ちょうどそこへ、



「あ。煌人?」
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