大嫌いなキミに愛をささやく日
すかっ
「え」
凛を捕まえようと必死に手を伸ばしたが、見事に空振りに終わる。
その間に、凛はサッと回れ右をして、女子に囲まれている俺を置いて一人運動場に戻って行った。
「(マジで置いてかれた!?)」
マジで!?
こういうのってさ、もっとさ……!
こう、なんか、ねーのかよ……。
「(女子に囲まれる俺を見て、お幸せにって捨て台詞。たったそれだけって……)」
凛に何かを期待してたわけじゃないけど……。
さっき赤組のテントでは、男子からあんなに俺を庇ってくれたのに……。
そうだよ、凛。
こんなの、あんまりじゃねーか。
さっきは俺の味方してくれたじゃねーか。
今回も俺の味方をして、助けてくれたっていいだろ……。(意気地なし発言)
だけど女子達は、落ち込む俺に容赦はない。
「煌人~まずは校舎に入ってみようー!」と、俺を引っ張って無断で校舎に入ろうする。
「え、ちょ。それは待って、」