大嫌いなキミに愛をささやく日


すかっ



「え」



凛を捕まえようと必死に手を伸ばしたが、見事に空振りに終わる。

その間に、凛はサッと回れ右をして、女子に囲まれている俺を置いて一人運動場に戻って行った。



「(マジで置いてかれた!?)」



マジで!?

こういうのってさ、もっとさ……!

こう、なんか、ねーのかよ……。



「(女子に囲まれる俺を見て、お幸せにって捨て台詞。たったそれだけって……)」



凛に何かを期待してたわけじゃないけど……。


さっき赤組のテントでは、男子からあんなに俺を庇ってくれたのに……。

そうだよ、凛。

こんなの、あんまりじゃねーか。

さっきは俺の味方してくれたじゃねーか。

今回も俺の味方をして、助けてくれたっていいだろ……。(意気地なし発言)


だけど女子達は、落ち込む俺に容赦はない。


「煌人~まずは校舎に入ってみようー!」と、俺を引っ張って無断で校舎に入ろうする。



「え、ちょ。それは待って、」

< 229 / 273 >

この作品をシェア

pagetop