大嫌いなキミに愛をささやく日
愛をささやく
「来いよ、凛」
「……っ」
煌人が私に向かって、手を伸ばしている。
煌人の後ろには、電気のついていない薄暗い教室が見える。
つまり、誰もいないって……そういう事で。
「(そこに私と煌人が、二人きりで……っ?)」
その後は……その、後は……?
何を考えたらいいのか、何を思ったらいいのか分からなくて……。
とりあえず、煌人の名前を呼ぶことにした。
「あ、煌人……っ」
だけど、
「そんな顔真っ赤にして泣きそうな目をして、上目遣いで見られても。助けてやらねーぞ」