大嫌いなキミに愛をささやく日
「ん、そうしようかな」



確かに、昨日はあまり寝られなかった。

勉強第一の私が、宿題を忘れるなんて前代未聞だもの。



ドサッ



「あー体の力が抜ける~」

「へーへー。今のうちに羽を伸ばしてろよ」



遠くにあったパイプ椅子を引っ張ってきて、ギッと座る煌人。



「(教室に戻らないんだ……)」



この場に私を一人にしない煌人の優しさが、少しだけ嬉しい。



思い返せば、昨日も……



『寝てる凛を一人残して帰れるかよ』



そんな事を言って、寝てる私を起こさずにずっと待っていてくれた。

あの時は、煌人がお坊ちゃまだから、そういう発言になったのかと思ったけど……。

あれは、私の事が好きで、そう言ってくれたのか。


そして、今も――



「(私の事が好きだから一緒にいるって事?)」
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