大嫌いなキミに愛をささやく日
「すごい慣れ慣れしいね。さすが女子キラー」

「なんだよ女子キラーって」



泡音ちゃんと話すのは、何気に初めてかもしれない。

きっと凛は、泡音ちゃんに色々相談してるんだろうな。

ん?相談?

凛って、俺の事をどんな風に相談してんだ?



「ねぇ泡音ちゃん、最近の凛の調子はどう?」

「見ての通り絶好調よ」

「違うそうじゃなくて」



凛が俺の事でワタワタしたり、悩んだりしてないかって事だよ――と聞くと、泡音ちゃんは「ん~」と目を瞑って記憶を思い出していた。

そして「あ」と言って、わざとらしく手を叩く。



「最初の頃は悩んでたよ」

「え、どんな風に?」

「”今までライバル視してたから好意どころか敵意しかない”って」

「(まさかの敵意のみ!?)」



何かにつけ、常に勝負をけしかけた俺も悪いけどさ……もっとこう、あるだろ。

すると、泡音ちゃんが続ける。


「あとは”存在を抹殺しようと企んでた相手にまさか好かれてるなんて思わなかった”とも言ってたよ」
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