大嫌いなキミに愛をささやく日
「ちげーわ」



「いや男同士で相合傘は嫌だけど」と、プッと吹き出す煌人。

イケメンオーラがぶわっと出て来たみたいで、寝起きの私には眩しい……。



「いつもの執事さんが迎えに来るの?」



あ。それを待ってたとか?

だから帰ってないのか。



そんなどうでもいい事を思った後、自分も帰るために荷物の整理を始める。

すると煌人は、顎に手を置いたまま。

じーっと、私の行動を見ていた。



「……そんなに見られると、やりにくい」

「俺に構わず続けたら?」

「じゃあ見ないでくれる?」



二か月前の入学式で、初めて出会った煌人。


私の唯一の特技である「勉強」を奪った張本人を、私が好きになるわけもなく。


そして勝手にライバル視していた所、何の因果か。煌人に目をつけられてしまった。



『三田さんって俺の事を嫌いだよな?』
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