大嫌いなキミに愛をささやく日
「真顔で言うの本当にやめて」



さっきから帰るように言ってるのに、煌人は全くめげない。

そうか。自分がアウェーって事に、気づいてないんだ(憐れみの目)。



「煌人の鈍感な所、少しだけ尊敬する」

「じゃあそこだけでも大いに見習えよ。ほら、メニュー」



大きなメニュー表を私に渡す煌人。そして先輩にも。

先輩は炭酸、私はココアを頼むと決めて……最後は煌人。

何やらメニュー表をじっくり眺めてる。



「煌人、お腹すいたの?」

「んー、そんなところ。凜はココア?」

「うん」

「あっそ」


あっそ、って……自分で聞いてきたくせに。


「(もう、自分勝手)」


すると煌人は頼みたいものが決まったのか、メニュー表を閉じて「お店の人を呼んでも大丈夫ですか?」と先輩に確認する。

その後すぐに店員さんがテーブルに来た、のだけど……

同時に、思いもよらない事が起こった。



「これはこれは!鳳条グループのご子息、煌人くんではないですか!」
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