大嫌いなキミに愛をささやく日
『(なぜそれを……!?)』



その頃から、顔を合わせればお互いに嫌味を言い合っている(主に私が)。



「凛ってさ、何でそんなに俺を拒否すんの?」

「気に食わないから」



迷いなしで本音を言うと、煌人は笑った。

「すっげー直球」って吹き出しながら。



「俺は凛の事まぁまぁ好きなのにな」

「げ……やめてよ。気持ち悪い」

「本当だって」



伏し目がちに言う煌人。

そもそも、私たちが名前で呼び合っているのは、いつの日か煌人に勝負をもちかけられたのが始まり。



『なぁ。次のテストで俺の方が点数が良かったら、俺の事を名前で呼んで』

『え、なんで?』

『そんで、俺もお前の事を名前で呼ぶから』

『なんで!?』



そのテストで見事に私が負けたわけだけど……。

名前で呼び始めて二か月。

未だに「煌人」と呼ぶのは慣れない。
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