大嫌いなキミに愛をささやく日
「(すっごい勘違いしてる!!)」



逆だよ、逆!!

訂正しようとしたけど、なぜか煌人は、来た道を全速力で戻って行った。



「どうせ俺は人生を常に後退して赤ちゃん返りするような、そんな情けない男だよ!」

「(誰もそんな事は言ってないのに!)」



だけど煌人はすでに遠くに行ってしまって(スポーツ万能)、私の声はどう頑張っても届かない。

けれど煌人の「負け犬の遠吠え」みたいな情けない声は、嫌と言うほど私の耳に入ってくる。



「もうお前なんか知らねーよ!今世紀最悪みたいなフり方しやがって!俺と一緒に地獄に落ちろバーカ!!」



言いたい事を言った煌人は「バカやろー!!」と叫びながら、私の家とは反対の方向に走っていく。



「追いかけるべきか、どうか。いや、面倒だからやめておこう」
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