大嫌いなキミに愛をささやく日
「?」



呼ばれて振り向く。

すると私の口の中に、ズボッと。

無遠慮にクッキーが入って来た。



「んぐ!」

「はは!すげー、全部入ったな」

「ん~!」



結構大きいクッキーなのに、口の中に全部いれたの!?

煌人のバカ!



恨みを込めて煌人を睨みながら、クッキーを食べる。

その味は……


とっても甘くて、とっても美味しくて。

私の頬がポロリと。

プライドと一緒に、少しずつ落ちていく気がした。



「ふふ、美味しい~っ」

「っ!」

「ありがとう、煌人!」



ニコッと笑うと、煌人は真っ赤な顔になった。

それはもう、水が沸騰するんじゃないかってくらい火に近い赤さ。



「おま……!

なに無防備に笑ってんだよ!」
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