大嫌いなキミに愛をささやく日
「煌人、クッキー……まだある?」

「無視すんな!あと、上目遣いで控えめに聞いてくるのやめろ!いろいろ刺さるから!」



と言いながら、車の中にあったクッキー缶ごと、私に渡す煌人。

え、まさか、これ全部?



「た、食べきれないよ……?」

「時間かけて食べたらいいだろ!賞味期限は長いんだし。それに……」

「それに?」



箱から目を離して、煌人を見る。

すると煌人も、顔が赤いまま、私を見つめていた。



「そのクッキーを食べてる間は……

俺のこと思い出して」

「!」

「俺ばっかり凛の事を考えて、ズルいだろ。お前は、もっと俺の事を考えろ。意識しろ。

だから……

すっごい時間かけて、毎日食え!」

「…………っぷ、」



煌人を見てると、プライド高く振る舞う事が、心底どうでもよく思える。
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