1500万年後のあの場所で君とまた出会いたい
2年もの間、1度も顔を見せていなかった俺に怒ってはいないだろうか。悲しんではいないだろうか。
募る思いや不安を抱えながら、俺の足はアルベスの家へと向かっていた。
2年もの間、俺はこのクサンテンの町に顔を出していなかったせいか、全てが新しく見える。建物も2年前とは全然違うものばかりだ。
でも、アルベスの家がどこにあるのかはすぐに分かった。その道が光で照らされているように明確だった。そして、辿り着いた。アルベスの診療部屋でもあるその家は、立派な面影を隠さずにそこに顕在していた。
扉を3回ほどノックして、一歩後ろへ下がった。今まで以上に心臓がバクバクと鳴っていた。会いたいという気持ちの方が大きいが、不安な気持ちも、もちろんある。
ガチャ───、
扉が、開いた。中から出てきたのは
「……タラ、ニス?」
とても驚いた顔をしたマリアだった。まだ幼かった顔にその面影はなくて大人の気品があった。肩までしかかかっていなかった白銀の髪は、腰辺りまで伸びていてとても綺麗だった。
「マリア……」
2年も会っていなかったマリアを前に何から話せばいいのか分からなかった。どんな風に声をかけたらいいんだろう。どんな顔をすればいいのだろう。
「タラニスっ!」
突然、マリアが抱き着いてきた。俺はその状況に頭が追い付かないまま、マリアを抱き締め返していた。久しぶりのマリアの温もりに涙が溢れそうになった。
そして俺が何を望んでいるのか、やっと理解出来た。愛しい人の温もりだ。マリアの温もりは俺の一部であり、宝物だ。
「タラニス、約束……守ってくれたんだね」
マリアが嬉しそうに優しく呟いた。俺は目を見開いた。