1500万年後のあの場所で君とまた出会いたい
約束……。
『強くなって戻ってくる』
その言葉をずっと覚えてくれていたんだろうか。ずっと俺を信じて待っていてくれたんだろうか。
「うん……、ちゃんと帰ってきたよ」
マリアは俺の胸に顔を埋めて、うんと頷いた。
「ありがとう……」
その言葉を聞いて、胸が苦しくなった。俺は君にまだ何もしてあげれていない。感謝の言葉なんて、言わなくていい。その事実に俺はまた、傷ついた。自分の中で生み出された深い傷は治ることがないということを知った。
「そうだ、タラニス!アルベスさんが……」
マリアの発した言葉に嫌な予感を覚えた。マリアに手を引かれ、診療部屋へと向かう。その部屋には……
「ゴホッゴホッゴホッ……!」
ベッドに横たわっているアルベスがいた。
「アルベスさんっ!」
思わず、駆け寄った。アルベスは俺の声を聞き、驚いたように目を丸くした。2年前のアルベスからは想像出来ないような弱弱しい姿をしていた。
「どうしたんですかっ!大丈夫ですかっ!」
必死だった。どうしていいか分からなかった。
「おお、タラニス。戻ってきたのか…」
アルベスは顔を伏せて、俺を見ようとしなかった。
「アルベスさん、俺の顔を見てください!どうして……」
俯いているんですか。どうして、俺から顔を背けるのですか。どうして、俺の顔を見ようとはしないのですか。どうして、元気ではないのですか。
聞きたいことは山ほどあるのに、それは泡となってどんどん消えていく。
「アルベスさん。私の口から伝えてもいいですか」
ずっと黙っていたマリアが声を発した。その言葉にアルベスは頷いて、俺に背を向けた。