正体バラしたらキスするぞ?~悪魔と天使の溺愛は危険がいっぱい~
確かに優磨は完璧だ。

お箸の持ち方だって上手だし、ご飯を食べる姿勢もきれい。

勉強だってできるし、スポーツも抜群。

おかげに整った顔立ちをしているから、女の子からはすごく人気がある。


イケメンって騒がれていた中学1年生の頃を思い出す。

2年生になっても騒がれるんだろうなぁ……。

それには少し、もやっとする。


優磨とはいつも言い合ってしまうけど……。

私は優磨のこと好きだもん。

好きだから素直になれない。

意地っ張りになってしまう。


昨年の入学式の日だって、優磨と同じクラスになることができて嬉しかったのに……。

私たちの中学校はクラス替えがないから入学式の時のクラス発表で3年間の仲間が決まってしまう。

だから、小学校卒業する前から『優磨と同じクラスになれますように』って毎日神頼みしていたくらいなのに。

それなのに、優磨を前にしてしまったら、素直に嬉しいって言葉にできなかった。

『別に嬉しいとか思ってないからっ!』なんて心と裏腹なことを言ってしまったのを覚えている。

優磨は『はいはい』とか笑いながら、頭を撫でてくれたっけ。

優磨は私が素直じゃないことを知っているからなぁ……。
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