愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
元からの知り合いだったのかと考えたが、父は友人だからといって仕事の便宜を図るような人情を持ち合わせていない。
冷酷な仕事人間で、使えないと判断したら容赦なく切り捨てる性格だ。
それならば外出先で待ち伏せされ、公衆の面前で土下座でもされたのかもしれない。
(しつこくつきまとわれるのが嫌で、俺への面会予定を組んであげたのか……いや、違うな)
朝陽に直接連絡しなかったところに、父の怒りを感じた。
『お前の取引相手だろ。こっちに迷惑が及ばないよう自分で始末しろ』
そのような父の叱責が聞こえるような気がした。
右手のマウスを握り潰したくなるのをこらえる。
「腹が立つな」
「申し訳ございません」
「田島に言ったんじゃない。俺自身にだ」
新プロジェクトの責任者である事業部の部長から断らせたのだが、朝陽から直接、先方に告げるべきだったと後悔していた。
時間の無駄だと思って省いたから、先方に関係修復の望みを残し、父に煩わしい思いをさせてしまった。
結果として朝陽自身の評価を下げたのだ。
(この程度の予想ができないようでは、呆れられて当然だな)
冷酷な仕事人間で、使えないと判断したら容赦なく切り捨てる性格だ。
それならば外出先で待ち伏せされ、公衆の面前で土下座でもされたのかもしれない。
(しつこくつきまとわれるのが嫌で、俺への面会予定を組んであげたのか……いや、違うな)
朝陽に直接連絡しなかったところに、父の怒りを感じた。
『お前の取引相手だろ。こっちに迷惑が及ばないよう自分で始末しろ』
そのような父の叱責が聞こえるような気がした。
右手のマウスを握り潰したくなるのをこらえる。
「腹が立つな」
「申し訳ございません」
「田島に言ったんじゃない。俺自身にだ」
新プロジェクトの責任者である事業部の部長から断らせたのだが、朝陽から直接、先方に告げるべきだったと後悔していた。
時間の無駄だと思って省いたから、先方に関係修復の望みを残し、父に煩わしい思いをさせてしまった。
結果として朝陽自身の評価を下げたのだ。
(この程度の予想ができないようでは、呆れられて当然だな)