愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
天井が高く吹き抜けになっていて、二階の窓から差し込む自然光が心地いい。

初めて来たカフェなので勝手がわからず見回したら、梢に呼ばれた。

「成美、ここだよ!」

梢は窓際のふたり掛けテーブルにいた。

約束の十分前である。

「梢さん、お久しぶりです。お待たせしてすみません」

「ほんの二時間ほど待ったよ」

「えっ! 私、待ち合わせ時間を間違えました?」

「ううん、合ってる」

今日は十時までのモーニングをワンコインで提供すると、カフェからの嬉しい知らせがSNSに入り、『食べなきゃ損!』という気持ちで二時間前に来たそうだ。

モーニングの皿は下げたようだが、半分飲んだコーヒーカップが梢の前に置かれている。

ランチが入らないのではないかと心配したが、梢は「楽勝」と笑った。

注文と会計は先にレジカウンターでするそうだ。

梢に勧められて同じサンドイッチプレートを注文し、先にオレンジジュースを持って席に戻る。

ほんの五分ほどで料理も運ばれてきて、成美は目を輝かせた。

「きれいですね!」

パンはクロワッサンとベーグル、食パンの三種類が使われている。

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