愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「その直感を信じるといい。大丈夫。俺たちは相性がいいよ。俺はすでに君が好きだし、君も必ず俺を好きになる」

(本当に……?)

理屈や道理といった堅苦しい考えを忘れ、力強く言い切った彼の言葉に心が流される。

まるで魔法にかかったかのようだ。

(直感で大事な決断をしたことはないけど、今は信じたい)

鼓動の高まりを感じながら、成美は姿勢を正した。

「こんな私でよければ、結婚してください。どうぞよろしくお願いします」

深々と頭を下げるとホッとしたような吐息が頭上に聞こえ、顔を上げれば彼が嬉しそうに微笑んでいる。

「よかった。必ず幸せにする」

頬を染める成美の手に青いカクテルグラスを持たせ、彼はブランデーグラスを構えた。

「俺の可愛い花嫁さん、よろしくな」

ウインクした彼にグラスをコツンとぶつけられる。

(花嫁……)

今までは結婚を諦めていたけれど、人並にウエディングベルに憧れていたので喜びがじわじわと湧き上がった。

照れくさくもなり、気持ちを落ち着かせようと冷たいカクテルをひと口飲む。

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