悪役令嬢は推し神様に嫁ぎたい!〜婚約破棄?良いですよ?でも推しの神様に嫁ぐため聖女になるので冤罪だけは晴らさせて頂きます!〜
「な、なんだよ。連れがいたのか。……その、だったら他当たるわ。じゃあな!」
言うが早いか、男は逃げるように走り去って行く。
「あの……ストラ様?」
「なんだ?」
一応確認のため名を呼ぶと淡々とした声が返ってくる。
人間の平民に扮してはいるが、やはり紛れもなくストラだったらしい。
「えっと……何故ここに?」
何から聞くべきかと数秒悩み、まずは一番気になることを質問した。
ストラは見守っていると言った。
ピューラを通じて、神々の国から見守るのではないのだろうか?
「……来てはいけなかったか?」
切れ長な目がスッと細められる。
赤茶の目に冷たさが宿り、ティアリーゼは慌てて首を横に振った。
「いいえ! どんな状況であろうとも貴方様に会えるのは至上の喜びです!」
キッパリ、ハッキリ断言する。
ティアリーゼの推し神への思いは強い。
少々こじらせてすらいるくらいに。
「……そうか」
だが、ティアリーゼのこじらせ具合いなど知らぬストラは僅かに笑みを浮かべ安堵のような息を吐く。
気を取り直すように背筋を伸ばすと、彼はこの場にいる理由を口にした。
言うが早いか、男は逃げるように走り去って行く。
「あの……ストラ様?」
「なんだ?」
一応確認のため名を呼ぶと淡々とした声が返ってくる。
人間の平民に扮してはいるが、やはり紛れもなくストラだったらしい。
「えっと……何故ここに?」
何から聞くべきかと数秒悩み、まずは一番気になることを質問した。
ストラは見守っていると言った。
ピューラを通じて、神々の国から見守るのではないのだろうか?
「……来てはいけなかったか?」
切れ長な目がスッと細められる。
赤茶の目に冷たさが宿り、ティアリーゼは慌てて首を横に振った。
「いいえ! どんな状況であろうとも貴方様に会えるのは至上の喜びです!」
キッパリ、ハッキリ断言する。
ティアリーゼの推し神への思いは強い。
少々こじらせてすらいるくらいに。
「……そうか」
だが、ティアリーゼのこじらせ具合いなど知らぬストラは僅かに笑みを浮かべ安堵のような息を吐く。
気を取り直すように背筋を伸ばすと、彼はこの場にいる理由を口にした。