悪役令嬢は推し神様に嫁ぎたい!〜婚約破棄?良いですよ?でも推しの神様に嫁ぐため聖女になるので冤罪だけは晴らさせて頂きます!〜
「何を言っている? 他に用事など無いが?」
「え? ですがその……だとするとストラ様が来てくださったのは私を心配したから、という理由だけということに……」
「だから、そうだと言っている」
「へ?」
まさか本当に自分への心配だけとは思わず、驚きの心地で端麗な顔を見上げた。
すると赤茶の目で真っ直ぐティアリーゼを見下ろしていたストラと目が合う。
(ああ、こんな近くにストラさまがっ! 平民姿でも溢れ出る美しさ……尊い……)
尊すぎて今すぐ手を組み祈りを捧げたくなってくる。
だが、それよりも先にストラの手が伸ばされ、長い指がティアリーゼの髪を耳に掛けた。
そのまま顎のラインをなぞり、軽く先端を掴まれ固定されてしまう。
逸らせない視線に、ティアリーゼの胸の鼓動が早まった。
「妻となる女の心配をしてはいけないか? これでも私はよき夫となるつもりはあるのだぞ?」
「お、夫⁉」
妻として仕える覚悟はしていたが、ストラを夫とする覚悟はしていなかった。
(そ、そうよね。妻になるということはストラ様が夫になるということですもの)
「ストラ様が私の夫……っ!」
実感が湧かず、確認するように声に出してみて失敗した。
じわじわとその事実を理解し、なんとも表現し難い恥ずかしさで顔に熱が集中する。
「え? ですがその……だとするとストラ様が来てくださったのは私を心配したから、という理由だけということに……」
「だから、そうだと言っている」
「へ?」
まさか本当に自分への心配だけとは思わず、驚きの心地で端麗な顔を見上げた。
すると赤茶の目で真っ直ぐティアリーゼを見下ろしていたストラと目が合う。
(ああ、こんな近くにストラさまがっ! 平民姿でも溢れ出る美しさ……尊い……)
尊すぎて今すぐ手を組み祈りを捧げたくなってくる。
だが、それよりも先にストラの手が伸ばされ、長い指がティアリーゼの髪を耳に掛けた。
そのまま顎のラインをなぞり、軽く先端を掴まれ固定されてしまう。
逸らせない視線に、ティアリーゼの胸の鼓動が早まった。
「妻となる女の心配をしてはいけないか? これでも私はよき夫となるつもりはあるのだぞ?」
「お、夫⁉」
妻として仕える覚悟はしていたが、ストラを夫とする覚悟はしていなかった。
(そ、そうよね。妻になるということはストラ様が夫になるということですもの)
「ストラ様が私の夫……っ!」
実感が湧かず、確認するように声に出してみて失敗した。
じわじわとその事実を理解し、なんとも表現し難い恥ずかしさで顔に熱が集中する。