悪役令嬢は推し神様に嫁ぎたい!〜婚約破棄?良いですよ?でも推しの神様に嫁ぐため聖女になるので冤罪だけは晴らさせて頂きます!〜
***
上質な天蓋付きのベッドに、彼女は静かに眠っていた。
ありふれた茶色の髪、確か目の色も茶色だったはずだ。
安らかに寝息を立てている様は、本当にただ眠っているだけにしか見えない。
「この状態で家に帰されたのが三日前です。その二日前から目が覚めないと聞いているので、五日間眠り続けていることになります」
フロント氏の説明を聞きながら眠っているエリーに近付いた。
「何でも、お仕えしている令嬢が高位貴族の方から頂いた茶葉に毒が入っていたらしく……毒見を進み出たエリーがこのようなことに……」
最後の方は声が震えている。
本当に娘を大事に思っているのだろう。
父の娘を思う様子に心が温かくなるが、同時に公爵令嬢だと名乗らなくて良かったと安堵する。
もしかすると、メラニーはその高位貴族としてティアリーゼの名前を出していたかもしれないのだから。
(それにしても、眠り続ける毒……ね)
その特殊な作用にある一つの毒の名が浮かぶ。
「《エルシュの復讐》かしら?」
エルシュの復讐とは、神話で語られる毒の一つだ。
上質な天蓋付きのベッドに、彼女は静かに眠っていた。
ありふれた茶色の髪、確か目の色も茶色だったはずだ。
安らかに寝息を立てている様は、本当にただ眠っているだけにしか見えない。
「この状態で家に帰されたのが三日前です。その二日前から目が覚めないと聞いているので、五日間眠り続けていることになります」
フロント氏の説明を聞きながら眠っているエリーに近付いた。
「何でも、お仕えしている令嬢が高位貴族の方から頂いた茶葉に毒が入っていたらしく……毒見を進み出たエリーがこのようなことに……」
最後の方は声が震えている。
本当に娘を大事に思っているのだろう。
父の娘を思う様子に心が温かくなるが、同時に公爵令嬢だと名乗らなくて良かったと安堵する。
もしかすると、メラニーはその高位貴族としてティアリーゼの名前を出していたかもしれないのだから。
(それにしても、眠り続ける毒……ね)
その特殊な作用にある一つの毒の名が浮かぶ。
「《エルシュの復讐》かしら?」
エルシュの復讐とは、神話で語られる毒の一つだ。