悪役令嬢は推し神様に嫁ぎたい!〜婚約破棄?良いですよ?でも推しの神様に嫁ぐため聖女になるので冤罪だけは晴らさせて頂きます!〜
***
三日月が浮かぶ静かな夜。
パーティーが行われる会場は魔術で灯された明かりで眩いほどにきらめいていた。
フリッツとメラニーにとってはこのきらめき同様の未来が見えているのかもしれない。
だが、人に冤罪を被せまともに裁判もせずに刑を執行するような輩にそんな未来は欠片もないのだ。
「皆、聞いて欲しい。私の元婚約者、ティアリーゼ・ベルンハルトのことだ」
婚約者ではない令嬢を伴って参加したフリッツに、周囲は好奇の眼差しを向けていた。
その視線に気付いているのかいないのか、内包する嫌味をものともせずフリッツは声高に語る。
「王太子の婚約者……未来の国母ともなるべき立場であるあの女は、この度到底許されない程の過ちを犯した。嫉妬に狂い、このメラニーに毒を盛ったのだ!」
毒という穏やかではない単語に皆ザワリと騒がしくなる。
「ティアリーゼ様が? ありえないだろう」
「だが、もし本当なら……」
大半が信じられないという声。
だが、メラニーの支持者だろうか? いくつかフリッツの言葉を信じる声も聞こえてくる。
三日月が浮かぶ静かな夜。
パーティーが行われる会場は魔術で灯された明かりで眩いほどにきらめいていた。
フリッツとメラニーにとってはこのきらめき同様の未来が見えているのかもしれない。
だが、人に冤罪を被せまともに裁判もせずに刑を執行するような輩にそんな未来は欠片もないのだ。
「皆、聞いて欲しい。私の元婚約者、ティアリーゼ・ベルンハルトのことだ」
婚約者ではない令嬢を伴って参加したフリッツに、周囲は好奇の眼差しを向けていた。
その視線に気付いているのかいないのか、内包する嫌味をものともせずフリッツは声高に語る。
「王太子の婚約者……未来の国母ともなるべき立場であるあの女は、この度到底許されない程の過ちを犯した。嫉妬に狂い、このメラニーに毒を盛ったのだ!」
毒という穏やかではない単語に皆ザワリと騒がしくなる。
「ティアリーゼ様が? ありえないだろう」
「だが、もし本当なら……」
大半が信じられないという声。
だが、メラニーの支持者だろうか? いくつかフリッツの言葉を信じる声も聞こえてくる。