悪役令嬢は推し神様に嫁ぎたい!〜婚約破棄?良いですよ?でも推しの神様に嫁ぐため聖女になるので冤罪だけは晴らさせて頂きます!〜
「メラニーが口にする前に毒見をした者がずっと目覚めぬ。以前からティアリーゼはメラニーに辛く当たっていたが、今回のことは到底許せることではない。よって、私は早急にあの女との婚約を破棄した!」
バンッ!
高らかに宣言した直後、会場が騒がしくなるより先に入り口である両開きの扉が大きく開け放たれた。
「失礼!」と怒鳴るような声を上げて現れたのは、白いものが混じった金髪を後ろに撫でつけた壮年の男性。
「っ⁉ お父様?」
会場の隅、警備の者が待機している場所からこっそり様子を伺っていたティアリーゼは、突然現れた父・ベルンハルト公爵の姿に本気で驚いた。
「ほう、思ったより早かったな」
だが、側にいるストラは驚きもなく淡々と話す。
ティアリーゼは水色の目を大きく開き、パチパチと瞬きしながら彼を見上げた。
「父が来ることを知っていたのですか?」
「ああ……というか、私が呼んだ」
「え⁉」
いつの間に⁉ と思ったが、どうやら自分から離れていた間に父に帰るよう伝えたらしい。
宰相である父が国王夫妻と向かっていたのは隣国だ。二週間では片道がやっとだろう。
どうやって伝えたのか方法は分からないが、ストラは神なので普通の方法ではないのだろうと納得させた。
「王太子殿下! 突然の御前失礼いたします。ですが、早急に確認致したいことがっ!」
フリッツの前に跪いた公爵は、息を整える時間すら惜しいと苦し気に言葉を紡いだ。
バンッ!
高らかに宣言した直後、会場が騒がしくなるより先に入り口である両開きの扉が大きく開け放たれた。
「失礼!」と怒鳴るような声を上げて現れたのは、白いものが混じった金髪を後ろに撫でつけた壮年の男性。
「っ⁉ お父様?」
会場の隅、警備の者が待機している場所からこっそり様子を伺っていたティアリーゼは、突然現れた父・ベルンハルト公爵の姿に本気で驚いた。
「ほう、思ったより早かったな」
だが、側にいるストラは驚きもなく淡々と話す。
ティアリーゼは水色の目を大きく開き、パチパチと瞬きしながら彼を見上げた。
「父が来ることを知っていたのですか?」
「ああ……というか、私が呼んだ」
「え⁉」
いつの間に⁉ と思ったが、どうやら自分から離れていた間に父に帰るよう伝えたらしい。
宰相である父が国王夫妻と向かっていたのは隣国だ。二週間では片道がやっとだろう。
どうやって伝えたのか方法は分からないが、ストラは神なので普通の方法ではないのだろうと納得させた。
「王太子殿下! 突然の御前失礼いたします。ですが、早急に確認致したいことがっ!」
フリッツの前に跪いた公爵は、息を整える時間すら惜しいと苦し気に言葉を紡いだ。