悪役令嬢は推し神様に嫁ぎたい!〜婚約破棄?良いですよ?でも推しの神様に嫁ぐため聖女になるので冤罪だけは晴らさせて頂きます!〜
「きゃあ!」
とはいえ聖霊力は抑えたので軽く転ぶ程度だ。
みっともなく床に尻もちをついたメラニーにフリッツが寄り添いキッと睨み上げた。
だが、その表情は驚きに変わる。
神術の風によって、ティアリーゼの全身を覆っていたローブがめくり上がりその下に着ている神官の衣が見えたからだろう。
「なっ⁉ ティアリーゼ、その格好は⁉」
驚愕の声を上げたのはフリッツではなく父である公爵だ。
知らせるのは後にしようと思ったが、見られてしまっては隠す意味はないだろう。
ティアリーゼはローブを外し、微笑みを浮かべた。
「この格好ですか? 見ての通り神官の衣です。私、念願の神官になったのですよ?」
「なっ⁉ ななな」
驚きと怒りで言葉も出ないらしい。
ティアリーゼの父・ベルンハルト公爵とはどこまでも貴族らしい人物だ。
だから貴族として生まれたティアリーゼにも貴族令嬢の義務として政略結婚を推し進めた。
王妃よりも神官としての適性が強かったにもかかわらず、だ。
そんな人物だからこそ、貴族である娘が神官になるというのは許せないことなのだろう。
ティアリーゼとて貴族としての責任はあると思い、今までは望みを抑えただひたすらその義務のため頑張って来た。
だが、そんな自分は捨てられてしまったのだ。
とはいえ聖霊力は抑えたので軽く転ぶ程度だ。
みっともなく床に尻もちをついたメラニーにフリッツが寄り添いキッと睨み上げた。
だが、その表情は驚きに変わる。
神術の風によって、ティアリーゼの全身を覆っていたローブがめくり上がりその下に着ている神官の衣が見えたからだろう。
「なっ⁉ ティアリーゼ、その格好は⁉」
驚愕の声を上げたのはフリッツではなく父である公爵だ。
知らせるのは後にしようと思ったが、見られてしまっては隠す意味はないだろう。
ティアリーゼはローブを外し、微笑みを浮かべた。
「この格好ですか? 見ての通り神官の衣です。私、念願の神官になったのですよ?」
「なっ⁉ ななな」
驚きと怒りで言葉も出ないらしい。
ティアリーゼの父・ベルンハルト公爵とはどこまでも貴族らしい人物だ。
だから貴族として生まれたティアリーゼにも貴族令嬢の義務として政略結婚を推し進めた。
王妃よりも神官としての適性が強かったにもかかわらず、だ。
そんな人物だからこそ、貴族である娘が神官になるというのは許せないことなのだろう。
ティアリーゼとて貴族としての責任はあると思い、今までは望みを抑えただひたすらその義務のため頑張って来た。
だが、そんな自分は捨てられてしまったのだ。