悪役令嬢は推し神様に嫁ぎたい!〜婚約破棄?良いですよ?でも推しの神様に嫁ぐため聖女になるので冤罪だけは晴らさせて頂きます!〜
婚約者がいれば困ったかもしれないが、幸か不幸かティアリーゼはつい先ほど婚約破棄を宣言されたばかりだ。
しかもご丁寧に婚約証書まで持ち出し目の前で破られた。
証書も無くなったのだから、ティアリーゼを縛るものはない。
そんな状態で焦がれ、側に仕えたいと思い続けていた神の妻になれるのだ。
拒む理由などない。
「嫌なことなどありません!」
思わず叫び顔を上げた。
「貴方様のお側にいられるのならどんな立場でも構わないのです。ただ、その……妻というのは想像もしていなかったので、何というか……恥ずかしくて」
後半はしどろもどろになりながら言葉を紡ぐ。
明らかに赤くなっているであろう顔を隠すよう両頬に手を添えた。
「……フッ」
数拍置いて、また笑うような吐息が降ってくる。
膝を折り手を伸ばしたストラ。
長い指がティアリーゼの顎を軽くすくい上げ、視線が交わる。
「恥ずかしい、か……愛いな」
「っ⁉」
ドクン、と大きく跳ねた心臓。
同時に、これ以上赤くはならないだろうというほど顔に熱が集中した。
(こ、こんなに近くにストラ様がっ! しかも私に触れて、微笑みまで浮かべて……あ、死ぬかも)
心臓があり得ないほどに脈打ち、本気で死ぬと思った。
しかもご丁寧に婚約証書まで持ち出し目の前で破られた。
証書も無くなったのだから、ティアリーゼを縛るものはない。
そんな状態で焦がれ、側に仕えたいと思い続けていた神の妻になれるのだ。
拒む理由などない。
「嫌なことなどありません!」
思わず叫び顔を上げた。
「貴方様のお側にいられるのならどんな立場でも構わないのです。ただ、その……妻というのは想像もしていなかったので、何というか……恥ずかしくて」
後半はしどろもどろになりながら言葉を紡ぐ。
明らかに赤くなっているであろう顔を隠すよう両頬に手を添えた。
「……フッ」
数拍置いて、また笑うような吐息が降ってくる。
膝を折り手を伸ばしたストラ。
長い指がティアリーゼの顎を軽くすくい上げ、視線が交わる。
「恥ずかしい、か……愛いな」
「っ⁉」
ドクン、と大きく跳ねた心臓。
同時に、これ以上赤くはならないだろうというほど顔に熱が集中した。
(こ、こんなに近くにストラ様がっ! しかも私に触れて、微笑みまで浮かべて……あ、死ぬかも)
心臓があり得ないほどに脈打ち、本気で死ぬと思った。