夏と冬のココアはご用心
「気にしないでください。僕はあまり話をすることが得意ではないので、美月の話を聞いていることが楽しいです」

昴さんは微笑みながらジッとあたしを見つめる。ぐっ、イケメンすぎる……!この包容力、スパダリってやつかな?

「もっと聞かせてください、美月のお話」

いつの間にか昴さんの手に、あたしの両手は包まれる。手が触れ合っているだけなのに、心拍数が異様なくらい上がってしまう。付き合っているけど、実は触れられると恥ずかしくなっちゃうんだ。

「あっ、えっと……」

あたしは話の続きを話そうとするけど、思うように言葉が出てこない。さっきまであんなに饒舌なくらい話せてたのに……。ていうか、体が熱い。エアコン効いてるのに、昴さんが触れている手を中心に熱い……。でも、こんなにも熱いのに、昴さんにただ触れたい!触れられたい!

「昴さん……!」

気が付けばあたしは立ち上がり、昴さんの方へ回っていた。そして、どちらからともなく唇が重なる。
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