夏と冬のココアはご用心
でも、少し触れただけじゃ満足できなくて、何度もあたしから乱暴に昴さんにキスをし、強く抱き締めた。

「昴さん、好き!大好き!だからあたしにキスして!いっぱい触って!」

「……まさか、ここまでの効き目があるとは思いませんでした。いいですよ、たっぷり時間はありますから」

昴さんに抱き上げられる。これからすることにあたしは胸を高鳴らせつつ、昴さんの首に腕を回した。



夕方を過ぎ、すっかり辺りは暗くなって月が輝き始めた頃、あたしの体からはようやく熱が冷め、目を覚ました。

「美月、おはようございます。……と言っても、もう七時過ぎですがね」

あたしの隣で嬉しそうにニコニコと笑う昴さんを見て、あたしは腹が立ってしまい、昴さんに手元にあった枕を投げ付ける。

「一体!あたしに何したんですか!?」

あたしの投げた枕を避けた昴さんは、不思議そうな顔をしながら返す。

「ココアには薬が入っているとお伝えしたはずですよ」
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