夏と冬のココアはご用心
ホットココア
夏が過ぎ、結局あたしはあの謎解きゲームはわからないまま、冬を迎えてしまった。昴さんの書いた小説はもちろん、他の作家さんのミステリーも月に一冊は読むほど大好きなんだけど、ミステリー小説の探偵みたいな論理的な推理はできない。
「美月、ココアです」
何度目はわからないお家デートの日、あたしの前に昴さんがココアを置く。猫のイラストが描かれた可愛らしいマグカップからは湯気が立ち、おいしそうなココアがある。でも、このココアにはあの薬が入っていると思うと……。
「ホットココアでもあのゲーム、するんですか?」
「もちろんですよ。さあ、どこに入ってるでしょうか?」
悪戯っぽく微笑み、昴さんはあたしの前に座る。あたしは警戒をしながらココアを一口飲みーーー顔を顰める。
「にっっっが!」
ココアは全く甘くない。むしろ苦い。顔を顰めるあたしに、昴さんは「すみません」と謝った。
「このココア、砂糖が入っていないやつでした。これを使ってください」
「美月、ココアです」
何度目はわからないお家デートの日、あたしの前に昴さんがココアを置く。猫のイラストが描かれた可愛らしいマグカップからは湯気が立ち、おいしそうなココアがある。でも、このココアにはあの薬が入っていると思うと……。
「ホットココアでもあのゲーム、するんですか?」
「もちろんですよ。さあ、どこに入ってるでしょうか?」
悪戯っぽく微笑み、昴さんはあたしの前に座る。あたしは警戒をしながらココアを一口飲みーーー顔を顰める。
「にっっっが!」
ココアは全く甘くない。むしろ苦い。顔を顰めるあたしに、昴さんは「すみません」と謝った。
「このココア、砂糖が入っていないやつでした。これを使ってください」