10年ぶりの再会は、告白からスタートで。

「昔にこういうことがありましたってだけの話だよ。僕的には……まぁ、少しは君に会えるのを楽しみにしてた部分はあったけどね？　でもそれは、なんていうか、昔一目ぼれしたあの子は今どうなってるんだろう!?　みたいな。…そういう感じ。だから、聞き流してくれて大丈夫だから」

　これだけ詳しく話してもらって、「はい、分かりました。聞き流しますね」なんて言えるわけがない。なんて言おうか迷っていると、橘先生が少し困ったような表情で口を開いた。

「家庭教師に来た初日に話すようなことじゃなかったね。ごめん」

　それを今言われると、余計に私も困るんですけど。