10年ぶりの再会は、告白からスタートで。
 コンコン。

 私の部屋のドアがノックされた。きっと、れいの家庭教師の先生だろう。

「入ってもいいかな?」

「どうぞ」

 その人は、ゆっくりとドアを開けて私の部屋の中に入ってきた。

「お邪魔します。今日からよろしくね……明日香ちゃん」

「よろしくお願いします……」

 初めて見たその先生は、とても若そうに見え、それでいて俗にいうイケメンだ。
 もっとこう……なんていうか、眼鏡とかかけてて……いかにも『勉強してます!』的な見た目の人がやって来るのかと思っていたんだけれど。
 高身長で、程よい外ハネ具合の茶髪に、少し艶っぽい目。ぱっと見は大学生くらいだろうか。

 こんなこと思うのは失礼極まりないかもしれないが、見た目はイケメンだけど普通そうな人。母は何でこの人に頼んだんだろう?……まぁいっか。勉強しなきゃいけないことには変わりないのだから。見た目なんて関係ないし。
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