10年ぶりの再会は、告白からスタートで。
「バイトとか色々忙しいのでは?」

「バイトはふたつ掛け持ちしてて、ちょうどひとつのバイトを変えようと思ってたところだったから、大丈夫だよ。今日からは君の家庭教師と、もうひとつかな」

 タイミングがいいというか、なんというか。

「もちろん、ここでもちゃんとバイト代はもらえることになってるから、その分厳しくなるかもしれないけど勉強頑張れる?」

「……はい」

 ここでも選択肢はないじゃん。この状況で「頑張れません」なんて言える強靭な心など持っていない。
 橘先生もある意味、私の犠牲者なのかもしれないし。

「なんか今、返事に少し間があったけど、大丈夫そう? もしかして家庭教師が来るのって反対だったりしたのかな?」
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