君の矢印【完】
お昼休み、天音はなんか委員会の呼び出しで行っちゃったし、律くんは寝てるし、暇だなあ。
私も寝ようかな。
「いこいちゃん、いこいちゃん」
隣からそーっと現れてたのは、咲夜くん。
やけにコソコソしてる。
「どうしたの?」
「相談があってさ…」
周りを警戒しながら、少し恥ずかしそうに言う咲夜くんにピンときた。
「もしかして天音のこと?」
「え!?なんで分かるの?!」
目を大きく開いて、驚いている。
やっぱりなんとなくで言ったけど、合ってた。
「見てたら分かるよ!」
「まじかよ、恥ずい〜」
両手で顔を隠す仕草につい笑いが漏れる。
モテる咲夜くんでさえ、好きな人のことになったらこんなピュアになるんだね。