君の矢印【完】
side律
また気に食わない状況。
昼寝をしてて、なんとなく起きて顔を上げれば、斜め前の窓際の席にいこいと目黒の姿。
なんでお前の周りにはそんなに男子が集るわけ?
甘い匂い散らしすぎなんだよ。
イライラする。
…だからいちいち近えって。
目黒が男だって分かってんの?ついでに俺が男だってことも分かってんの?
おでこにキスした時は流石に混乱してたみたいだけど。
好きな人なんて許さない。
お前は俺のだろ。
「神田くん!」
そんなことを考えていると、くっせえ匂いを纏ったケバい女が俺の名前を呼んだ。
「何。」
絶賛不機嫌なんですけど。
「神田くんさぁ、合コンとか興味ない?」
「ない。」
てかさ、香水か何か知らないけど、そんな匂い纏って恥ずかしくないわけ?
目だって、パンダみたいに真っ黒。
こういうきーきーうるさそうな、女が1番嫌い。