君の矢印【完】
親同士も仲よくて小さい頃からずっと一緒。
気がついたら、高校だって同じところを受験していた。
だから毎日3人で登校する。
「律、起きてる?」
天音が律くんの顔を覗き込む。
スタイル抜群で身長が165センチある天音が上目遣いになってしまうほど、身長の高い律くん。
たしか身長180センチくらいだったと思う。
「おはよ。今日もよろしく。」
私にはあんなにだるそうな返事だったのに、天音にはちゃんと返事するんだ。
ふーん…
「えー、毎朝めんどくさいなぁ。いい加減覚えなよ!」
天音はそういって、律くんの手にある赤色のネクタイを受け取る。
…律くんは、毎日天音に制服のネクタイを結んでもらってる。
ネクタイを結ぶという行為は、とてつもなく近い距離まで顔と顔が近づく。
学校一の高嶺の花と言われる美貌の天音と、学校一のイケメンボーイと言われる律くん。
…お似合いだなぁ、ちくっと胸が痛む。