君の矢印【完】
「たまには、私たちと遊んでよー」
「なんで。」
「なんでってクラスメイトじゃん!」
ああ、うぜえ。
全ての神経を逆撫でしてくる。
だるくて、視線を外すと、さっきまで目黒と話していたはずのいこいがこっちを見ていた。
なんかすげえ、不服そうな顔をしてる。
ぷくうって頬を膨らませている。
…可愛いじゃん。
あっ、あからさまに目を背けた。
はーん。気になるんだ俺のこと。
「いいよ。合コン行く。」
もっと気になればいい。
俺のこと好きじゃないのは分かってるけど、単に幼馴染を心配する気持ちでもいい。
俺のことで頭いっぱいになれ。
「え!?いいの!?じゃあ放課後駅前のカラオケ集合ね!」
『ラッキー!楽しみー!』なんてほざく女を横目に、いこいを見るともうこっちを見ずに、目黒と楽しそうに話していた。
気にしてたように見えたのは、俺の勘違いかよ。