君の矢印【完】

→ ♡



ピンポーンーーー


急いで玄関まで駆け走り、急いでドアを開ける。



「はーい。」



「急ぎすぎ。」




呆れた顔の律くん。



放課後一緒にスーパーに買い物に行って、一旦律くんは自分のお家に帰ってからまた集合。


料理は基本自炊で、小さい頃からよく料理してたから、私も律くんもそれなりに出来る。



いつも2人並んで料理を作る。
この時間が幸せなんだぁ。



「だって早く会いたいんだもん!」




「っ…はぁ〜なんでそんな煽るかな。」


律くんは困ったような表情を見せるけど、どうしてだろう。


迷惑だった?




でも家に1人きりって寂しいじゃん。



シーンとしてて、悲しくなる。




「律くん、ネクタイ曲がってるよ?」



今朝、天音に結んでもらった制服の赤いネクタイがグネっと曲がってる。



律くんは、シューズケースについている鏡でその姿を確認して、




「本当だ。直して。」




ん、と顎を上げて、首元を強調する。


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