君の矢印【完】
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ピンポーンーーー
急いで玄関まで駆け走り、急いでドアを開ける。
「はーい。」
「急ぎすぎ。」
呆れた顔の律くん。
放課後一緒にスーパーに買い物に行って、一旦律くんは自分のお家に帰ってからまた集合。
料理は基本自炊で、小さい頃からよく料理してたから、私も律くんもそれなりに出来る。
いつも2人並んで料理を作る。
この時間が幸せなんだぁ。
「だって早く会いたいんだもん!」
「っ…はぁ〜なんでそんな煽るかな。」
律くんは困ったような表情を見せるけど、どうしてだろう。
迷惑だった?
でも家に1人きりって寂しいじゃん。
シーンとしてて、悲しくなる。
「律くん、ネクタイ曲がってるよ?」
今朝、天音に結んでもらった制服の赤いネクタイがグネっと曲がってる。
律くんは、シューズケースについている鏡でその姿を確認して、
「本当だ。直して。」
ん、と顎を上げて、首元を強調する。