君の矢印【完】
言われた通りの椅子に座る。
「いい子いい子。」
珍しくにこにこしながら、私の頭を優しく撫でる。
ええ、何この状況。
学校だって言うのに、人の声は全く聞こえない。
「じゃ、おやすみ。」
恥ずかしすぎて、俯いてたら、目の前に律くんの顔が現れる。
あれ!?
「へ、律くん…!?な、何をっ」
なんで、私の膝の上に寝てるの!?
「予鈴なる前に起こして。」
へらり、柔らかく笑って、綺麗な目を閉じる。
なんか機嫌いい?
てかパニックなのに、全然質問に答えてくれない。
呼び出したのって、もしかして膝枕のため?
「いこいの膝、最高だな。」
目を閉じたまま、そういう律くん。
「ね、寝たんじゃないの…!?」