君の矢印【完】
「寝てない。」
そーいって、私の足を撫でる。
く、くすぐったい!
「や、やめてよ、律くんの変態っ…」
なんかいやらしい触り方。つーーっと沿うような、指先。
「その顔、誘ってる?」
にやっとまた意地悪な顔。綺麗な目が、細くなる。
「なに、それ」
律くんは時々意味のわからないことを言う。
「あーー、寝れないかも。」
「じゃあやっぱり、私の膝じゃないほうがいいよ!ちゃんと寝たほうがっ」
疲れてるんだったら、私なんかの膝で寝るよりどっか眠れるところで寝たほうがいいよ?
貴重な休み時間だし。
「バカ。何もわかってねえ。」
ほら、また意味のわからないことを言う。
ちょっと不機嫌になって、また目を閉じてしまった。
顔、綺麗だなぁ。