君の矢印【完】
「おう。」
天音のコンビニにはよく来る。
家から1番近いコンビニだし、3人でも2人でも1人でも、天音が働いてるときでもお構いなし。
「わー、私何食べようかなあ」
アイスかなぁー?でも最近寒いし、肉まんとかいいなぁ。
あ、天音が最近新作出たって言ってたな。
どれか聞いてみようかな。
そんなことを考えていると、律くんの手にはコーヒーが納められていた。
「律くん、コーヒー飲むの…?」
律くんってコーヒー苦手で、飲まないのに。
天音はそのメーカーのコーヒー大好きだけどね。
「これは天音への差し入れ。」
「あっ……そっか!」
最近、咲夜くんの相談に乗りすぎて忘れてた。
律くんも天音のことが好きなんだって。
天音の好きなコーヒーを覚えてるところとか、胸が痛む。
鉛のように心が重たくなる。