君の矢印【完】


どーしたって変わらない現実なのに、どうしてこんなに辛いんだろ。




「あ、私アイスにしよー」




何も感じてないかのように、ソフトクリームのアイスを手に取る。



律くんは、私がコンビニに行くとこのアイスを食べるって知ってるのな。



「三点で618円です。」



もちろん天音が担当するレジへ。




もちろん三点の中には、天音へのコーヒーが入ってる。



「天音、これ差し入れ。好きだろここのコーヒー。」


袋に入れようとしている天音の手を止めて、律くんが言う。



「え、ありがとう。大切に飲むね!」




きらきらって効果音がつきそうな、天音の笑顔が輝く。



やっぱりカップルみたいでお似合い。

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