君の矢印【完】


びっくりして声にならない私を見て、また悪魔のように微笑む。



…最近律くんおかしいよっ、



「うまっ」



こ、こ、ここんなのっ。




律くんが食べたところ、私がさっき食べてたところだ。



考えただけで、頭が沸騰する。




「かかかか間接キス…っ、」



「今更何言ってんの。ガキの頃は普通にしてただろ。」




いやいやいや、あの時とは訳が違うよ…



律くんは私も何したって平気かもしれないけど、私はそうじゃないんだから…



もしかして天音にも無意識にこんなことしてるのかな?



「何?怖い顔して。」



律くんはさぞ涼しい顔してますね!



私は顔真っ赤なのに。



いつもやられっぱなし。


「ふん、なんでもない!」



もうやだ、律くんってなんでこんな無意識にドキドキすることしてくるんだろう。



いちいちドキドキするこっちの身にもなってほしいよね…


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